こころ と あたま

精神科看護師を経験し、将来は精神科医を目指して今春から医学生になる僕のつぶやきです。概ね私見なのでご承知願います。

医療がドラマになる理由

私ごとですが、大学の授業が遠隔方式ではありますが開始し、早速医学部の洗礼を受けて、ブログの更新頻度が落ちに落ちています。たまーに、たまーにでいいんで、ちょっと覗いてみるか、くらいで読んでくれたら嬉しいです。

この勉強地獄に立ち向かうため、今日は自分の将来へのモチベーションを高めているある出来事について、思い返したいと思います。

 

医療ドラマ、多くね?

昔から医療現場を舞台にしたドラマは多いですが、最近なにかと多いですね。診療科による棲み分けこそなされていますが、同時期に4つ5つの医療に関するドラマが放送されていた時期もありました。

なんでこんなにも、医療を題材に、ドラマを作るのかなーと疑問に思ったのですが、自分の働いていた場所のことを振り返ってみると、「ドラマ多かったな、キャラクター豊かだったな」と感じました。

 

精神科の登場人物

患者さんも面白い経歴をもつ方が多かったのですが、働くスタッフも、なかなか個性豊かな人ばかりでした。精神科ということもあり、人間観察が好きな人、哲学的、時には神学的な要素の強い人も中にはいて、自分の担当患者さんのカルテを見ると、たまにとんでもなくスケール感の大きい話(宇宙とか、形而上とか。)で話している先生もいて、それを読むのがささやかな楽しみでもありました。

 

退職直前の患者さんとのやりとり

そんな数ある「ドラマ」の中から、僕の中ですごく大きく残っているエピソードについて、紹介します。身体的な理由で、ベッド上安静になった患者さん(Aさん、としておきます)に、保清をしている時でした。

 

A「とく、先生になりたいん?』

僕「えーーー、ちょっと誰から聞いたんですかそれ。笑」

A「えっとな、B先生やったっけな?」

 

B先生は、再受験で医師になられた初期研修医の先生でした。精神科志望先生だったので、僕をはじめ精神科スタッフとも個人的な話もしていました。

 

僕「まじかー、めっちゃ個人情報やんそれー。笑」

A「でもな、先生が言うにはなー、なりたい人の2%しか、(医師に)なられへんらしいで」

 

Aさんは満面の笑みで、ピースをしながら、僕をからかう。

 

僕「えーー、そうなん。(2%ってほんまかいな、どこ情報やねんそれ…笑)そりゃ、頑張って2%に入らなあかんな。」

 

保清を続ける中、患者さんはピースをし続け、僕をからかい続ける。

しばらくして、

 

A「…頑張ってな、日本一の先生になってな。」

僕「え、、、(もう泣いてる)」

A「日本一ちゃうな、世界一やな」

 

ダーーーーーーーーーーッ。。。。

 

ーー保清が終わり、

僕「明日、夜勤で来るからな!たぶん僕が担当やわ。明日で最後の勤務やねん。よろしく!」

 

この後の夜勤で、Aさんはシーツまで溢れ出る多量の便失禁をし、僕の最後の大仕事となったのだった。

 

医療がドラマになる理由

それは、脚色なしに、医療現場はドラマで溢れているから。

病院は医療を提供する場ではあるけれど、それをひとつの「ツール」として、人と人とが深く繋がり合う、そんな副産物もあります。

勉強はたしかに辛いけど、この出来ごとを思い返して、頑張ろうと取り組めたし、大学に入学することができたし、これからも単位を掘り当てる旅の中で、このことを思い返してエネルギーとしていきたいです。

 

ああ、

恋つづみたいなことが、起きないかなー。。。